NYで個展&ワークショップを開催
古色の美の小渕ユタカです。
ニューヨークで個展&ワークショップを開催させていただくことになりました。
会場はLoop of the Loomさん。ブルックリンのDumboスタジオで開催です。
11年前のこと。ベンガラ染めもまだまだこれからってときで右も左もわからないとき。ご縁をいただき
思い切って行ったニューヨーク。ニュージャージー州のシープ&ウールフェスティバルに出店したり、
Loop of the LoomさんのNYスタジオや子供たちと学校でワークショップさせていただきました。
私は英語全然できなくて言葉は通じないけど、ニューヨークの皆さんとベンガラ染めを一緒に
できて楽しかった。伝えられて嬉しかった。あれから、このご縁はずっと繋がっていて
古色の美の染料をお取り扱いいただき、ベンガラ染めの楽しさと魅力を今なおNYで
発信し続けてくれていることに本当に感謝です。
そして、今年9月にまたご縁をいただきました。
今回は作品の展示をさせていただけることになり、自分なりに心を尽くし、制作しました。
Loop of the Loomさんのホームページでご紹介してくれています。
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作品展会期:2023年9月8日〜10月8日
ワークショップ:9月15日〜18日※詳細近日中に公開予定。
会場:Loop of the Loom Dumbo,Brooklyn
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Cloth of Time 〜時を刻む布〜
私の日々の仕事は顔料をつくること。
土から色をつくり、染めている。
土の粒子を丹念に乳鉢で細かくし、
繊維としっかりと絡むように手を尽くす。
土を焼き、熱の温度差により多彩な色を
つくるのがベンガラ染めの世界である。
黄、橙、朱、赤、赤茶。
染めるときは土の粒子を震わせるように
やさしく柔らかく手を動かしてゆく。
でもときには力強く揉み込み繊維と絡めてゆく。
手仕事は素材との対話のようなものだ。
やさしくすればやさしく答えてくれて
心乱せば、染まらずに逃げてゆく。
日々平常心を心がけるが、そうもいかない
ことばかり。
でも大切にしていることは
何事にも手を尽くすこと。
昔の手仕事に学びをいただいてる。
ファッションや商売のためだけではなく、
我が子やだれかのために心尽くして染め上げた
布。織られた布。
人が手を尽くしものは生命に溢れていて
美しい。
絞って、括って、ほどいて、畳んで、叩いて、
染める。
いくつもの工程を積んで、時を刻む布。
心を尽くす布。
日本の伝統技術やアジア、アフリカの手仕事。
途絶えてしまいそうな美しい手仕事の息吹を
受け取って大切にしてゆきたい。
そしてそれをだれかに繋げて、積んで
新しい時を刻んでゆきたい。
2023/08/14