ベンガラは土から取れる成分(酸化鉄)で紅殻、弁柄とも呼ばれ語源はインドのベンガル地方より伝来したことからそう呼ばれています。日本の暮らしに古くから根付いている素材で陶器や漆器、また防虫、防腐の機能性から家屋のベンガラ塗りとして使用されてきました。ラスコーやアルタミラの洞窟壁画にもみられ旧石器時代から使われた最古の顔料であり古代色です。経年変化に強く、日光による褪色がないことも特徴で昨今では無害であることから天然素材として見直され繊維製品への染色、オーガニック製品にも使用されるようになりました。地球上に一番多く存在する「赤色」は酸化鉄といわれています。人類にとって身近な色であり、土から取れた古代色「ベンガラ」は大地の色であり日本の暮らしを彩る色なのです。
手づくり天然顔料べんがら、全25色
古色の美では25色のベンガラを作っています。長年の加工技術を活かし「赤」しかなかったベンガラを燃焼温度と調合により黄、黒、緑、紫といった色彩豊かな色合いをつくりだしました。味わい深い個性のある色を作りだすためハンドメイドにこだわります。乳鉢で時間をかけて、すり潰しながら作る色合いは機械には無いどこか暖かく深い色になってくれるのです。均一ではない大らかさが色にあらわれるのかもしれません。
古色(こしょく)
胡粉(ごふん)
深川(ふかがわ)
松脂(まつやに)
弁柄(べんがら)
煤竹(すすだけ)
阿仙茶(あせんちゃ)
蘇芳(すおう)
鬱金(うこん)
琥珀(こはく)
代赭(たいしゃ)
茜(あかね)
13黄土(おうど)
丹土(につち)
紫土(むらさきつち)
16緑土(みどりつち)
黒土(くろつち)
黄金(こがね)
銀鼠(ぎんねずみ)
鉄朱(てつしゅ)
碾茶(てんちゃ)
春桜(はるざくら)
紫陽花(あじさい)
冬桜(ふゆざくら)
紅(べに)
#02胡粉(ごふん)は酸化鉄では無く酸化チタンです。
#03深川(ふかがわ)、#04松脂(まつやに)、#13黄土(おうど)、#14丹土(につち)、#15紫土(むらさきつち)、#16緑土(みどりつち)、#17黒土(くろつち)、#18黄金(こがね)、#19銀鼠(ぎんねずみ)、#22春桜(はるさくら)、#24冬桜(ふゆざくら)も酸化チタンが配合されています。
オーガニックコットンとベンガラ
ベンガラ(酸化鉄)は人体にとって優しく無害であることからオーガニックコットンへの染色も行っています。オーガニックコットンとは三年以上化学肥料を使っていない畑で堆肥や下肥を肥料として育てられ、栽培にあたっては除草剤や殺虫剤等の農薬を使用せず、摘み取りも枯葉剤を使用せず、自然に枯れるのを待って収穫した綿花です。 大正紡績との共同開発によるオーガニックコットンべんがら糸の販売も行われており、タオルや衣料として多くの繊維製品に用いられています。べんがら染めはエコテックスの認証を取得しています。
エコテックスとは・・繊維製品のホルマリン、重金属、発ガン性などの有害物質を規制する国際基準でそれをクリアした繊維製品は安全性が実証されています。オーガニックコットンへの染色に天然染めはないか?という要望から生まれたベンガラ染めのオーガニック コットン。安心、安全性から今ではベビー用品や肌着といった製品にも使用されるようになりました。